見逃せない子供の病気
2018.09.11更新
今日は緑区医師会館で「見逃せない子供の病気」というテーマで講演会がありました。
クリニックで診る小児疾患はほとんどが風邪や胃腸炎などありふれた疾患ですが、その中に潜む見逃してはいけない疾患をしっかり見つけ、適切な検査・治療を行うことが小児の診察では大事なことだと思います。
見逃してはいけないサインは「ぐったりしている」ことで、普段の元気さと比べてどうか、遊べているか、寝れているか、尿は出ているかなどが確認すべき事項になります。
本日の講演内容で一つ取り上げたいことは抗生剤使用の弊害についてです。
例えば、ピボキシル基を有する抗生剤(小児によく使用されているフロモックス、トミロン、メイアクトなど)の使用で、吐気、発汗、動悸、ふるえ、けいれん、意識障害などの低血糖症状が出現し、時に後遺症をもたらすことがあるということです。
原因は抗生剤の一部とカルニチンと言われるビタミンが結合して尿に排泄され、カルニチンが不足することです。カルニチンが不足すると糖がつくられなくなり、低血糖に陥ります。
カルニチンは赤身の肉や乳製品に多く含まれていますが、このような食事をあまり摂取しない乳幼児は特に抗生剤使用による低血糖症状を起こしやすい世代だと言われています。
またこの低血糖症状は抗生剤投与日数が短くても起こりうるので注意が必要です。
それ以外にも抗生剤の使用は様々な問題があり、最近は適切な抗生剤使用が行われるように注意喚起されていますが、それでもやはり安易な抗生剤投与が行われているというのが現状です。
当院でも抗生剤の弊害からお子さんを守るため、適切な抗生剤使用に努めていきたいと思っております。