最新機器を用いた超音波検査
超音波検査とは、超音波を使用して体内のいろいろな臓器の形態診断や、血流の流れる方向、速度を測定し、その情報をモニタ上に表示する検査です。心臓、腹部、血管の疾患において特に役立ち、低侵襲で、苦痛もなくリラックスして検査を受けていただくことができます。当院で行う超音波検査は、最新のフルデジタル超音波画像診断装置であるXario100 Platinumを導入して、よりクリアな画像をカラーで見ることを可能にしています。
超音波検査の種類
頚部血管超音波検査(頸動脈エコー)
頚部の血管に超音波を当てて動脈硬化の程度などを評価します。頚部の動脈硬化が進行すると、血管内腔が狭くなることにより血管が詰まったり、動脈硬化部位の一部が破綻することにより血栓が飛び、脳梗塞を引き起こします。脳に血液を送る血管である頸動脈を評価することで脳梗塞のリスクを評価することができます。動脈硬化は加齢とともに徐々に進行しますが、高血圧や脂質異常症、糖尿病などで加速します。頸動脈エコーは患者様に負担なく楽に受けられる検査でありながら得られる情報は非常に多く、心筋梗塞、脳梗塞など血管の動脈硬化と関連する疾患の危険性を評価し、適切な予防・治療を行うために欠かせない検査です。今までこのような超音波検査を受けたことのない方は、大事な血管を適切に評価して必要な治療を行い、いつまでも健康で長生きをするために、是非一度受けていただくことをおすすめします。
心臓超音波検査(心エコー)
心エコー検査は心臓の形態や働きを見る検査です。心臓には全身に血液を送るという大切な役割があり、4つの部屋と4つの弁で構成されています。心臓の大きさ、心臓の壁の厚さや壁の動きを評価することにより、心肥大、心不全、心筋梗塞部位などを評価することができます。また心臓の弁の形や動きから、心臓弁膜症の有無を評価します。これらはリアルタイムで見ることができ、カラードップラーという血流の流れを写真のようにカラーで評価する方法も行えるので、心臓を調べる検査としては情報量が非常に多いものとなります。胸部レントゲン、採血、心電図などと合わせて評価を行うことにより、心臓のさまざまな疾患の評価・診断が可能となります。動悸、胸痛、呼吸苦、浮腫、心電図異常、胸部レントゲン異常などがある方は受ける価値が非常に高い検査です。
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部超音波検査では肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、腹部大動脈、膀胱、前立腺、子宮等のお腹の中の多くの部位を検査することができます。最近ではエコー機器の性能が向上して、消化管(胃、十二指腸、小腸、大腸)も検査の対象となり、急性虫垂炎や小児の腹痛で問題となる腸重積なども評価できるようになってきています。腹痛の原因や採血で指摘された肝障害の原因などの調査、肝臓や膵臓などお腹の臓器に腫瘍の有無などを調べる上で非常に有効です。消化器内科の専門医ならではの知識と経験に裏打ちされた、高い精度の腹部エコー検査をご提供します。
甲状腺超音波検査
甲状腺は喉の下、首の前面にあります。甲状腺エコーは甲状腺の大きさ、腫瘍の有無などを調べる検査です。甲状腺は甲状腺ホルモンを産生しますが、甲状腺ホルモンが少ないと、全身倦怠感、低体温、食欲低下、便秘、低血圧、息切れ、浮腫、脱毛、気力低下などの症状を引き起こします。逆に甲状腺ホルモンが多いと、全身倦怠感、発熱、頻脈、動悸、体重減少、発汗増加、不眠、多動などに繋がります。甲状腺の病気は治療を行うことで治るものが多く、悪性腫瘍でも早期発見できれば治る可能性が高くなります。甲状腺は比較的楽に受けられる検査なので、必要があれば積極的に受けることが望ましいといえます。