院長コラム

2018.09.07更新

夏の暑さも落ち着いてきて過ごしやすい季節になってきましたね。笑う

7月後半から今日まで諸々の事情がありブログを更新していませんでしたが、また今日から再開することになりました。

月5~10件ほど、なるべく読んでいただいた方の参考になるような内容を目標にしようと思います。snake

 

今日は緑区消化器疾患セミナーに参加してきました。

藤田保健衛生大学病院・消化器内科の先生のご講演でした。

内容は主に胃癌診断についてのお話でした。

 

前半の話は、胃カメラで胃に腫瘍を認めた際、通常の生検(腫瘍の一部をとって、顕微鏡で確認する)で診断がつかなかった場合、藤田保健衛生大学病院では追加検査をこのような形でやっていますという話でした。

こちらに関しては僕が今まで勤務してきた病院と同様の方針で、自分も携わってきた医療でしたので懐かしく思いながら聞いておりました。nyan

 

後半の話は、早期胃癌の内視鏡での診断や治療のお話でした。藤田保健衛生大学病院はさすが大学病院だけあって、検査数・治療件数が多く、診療体制も充実しているなあというのが率直な感想でした。

 

胃癌と言えばピロリ菌感染というくらい、ピロリ菌は胃癌発生に密接に関わっています。ここでは簡単にピロリ菌について書きます。

ピロリ菌は主に乳幼児期に経口的に感染し、感染者のほとんどの方は12歳までの感染とされています。

生まれてからピロリ菌に感染したことがない人は生涯ほぼ胃癌にならないとされていますが、生まれてからピロリ菌に感染したことがない人は1%未満とされています。

ピロリ菌に感染しても胃酸の影響やそれまでに使用された抗生剤の影響で自然に感染状態から治った方も多くみえます。

 

採血検査でピロリ菌検査陰性だっただけでは、ピロリ菌にかかったことはない、胃癌の危険性は非常に低いとはならないのです。

感染診断に加え、内視鏡検査で胃粘膜の萎縮がなく、胃炎を伴っていない場合に初めて、真のピロリ菌未感染と言えます。

 

ピロリ菌に感染し、慢性胃炎を伴っている方はその後の人生で胃癌の発生率が高くなりますが、ピロリ菌の除菌治療を行うことによって、その後胃癌ができる可能性を大幅に下げる(半分ほどに下げると言われています)ことができます。

 

まだ書きたいことは山ほどありますが、キリがないのでこのへんで終えておきます。

今後も消化器内科医として、ピロリ菌診断・治療、胃癌の早期発見・早期治療に精一杯努めていきたいと思います。ni